日時:2018年5月17日(木)18:30~
場所:東京国際フォーラム東天紅

 

嘉本会長挨拶:今日は多数の出席者に参加頂いて、本日の講師の先生のおかげです。木曜会は19901月に発足、来年で平成も終わるということで平成をほぼコンプリートして30年続いています。異業種交流会としては珍しいと思います。昨今話題になっています日大アメフト部のタックル、あれは悪質で危険なものでした。その後の日大の対応もまずく部の存続の危機に陥っています。中大野球部、今、低迷中ですが、勝利を願っています。が、何より大学スポーツはフェアプレイ、公正さを忘れてはいけないと思います。とりとめのない話になりましたがご挨拶とさせて頂きます。

ここで福田さんから̶あの、福原先生の紹介を…。

嘉本さん:元中央大学学長で、今回も…ウヤムヤ…。()紹介するまでもないかと、福原紀彦先生です。貴重なお話が聞けると思います。では、宜しくお願いします。

̶ 170回例会の講師は元中央大学学長の福原紀彦さんです。 ̶

福原さん:こんばんは、バブル崩壊後も続いている『木曜会』お名前は聞いていましたが、初めてお話しをさせていただきます。他の会でお見掛けした方もおられます。中には「福原の専門は何だ?学内政治か?」と思っている人もいるんじゃないかと。学長選挙を4回もやって中大史に名を残してしまって…。()私の専門は商法、企業金融法です。そこで今日は長寿高齢化時代の資産形成・活用についてお話したいと思います。

̶ 準備頂いたレジュメとパワーポイントを見ながら受講しました。 ̶

福原さん:日本は投資信託の個人活用が少ないんです。アメリカは個人金融資産の半分以上が債権・株式出資金・信託、日本は20%以下です。中間がヨーロッパですね。日本では個人資産における現金・預貯金の割合が50%を超えています。アメリカまでとはいかなくてもヨーロッパくらい(30%程)になるといいか思います。

̶ 滋賀の商家に生まれ小さい頃から、手形・小切手・帳簿と戯れて()育ったと仰る福原さん、ここで近江商人の商売哲学“三方よし”の説明を始められました。三方よしとは売り手よし、買い手よし、世間よし”という近江商法の原点。これを踏まえてこれからの金融資産のあり方を話してくださいました。…が、近江商人の話から彦根藩、彦根と中央大学の関係、何故“ひこにゃん”か?等々、話が横道にそれ、それた所がまた面白く!!でした。̶

̶ 彦根藩は藩民皆学、身分の上下なく教育を受けるべきという思想の下で優秀な人材が育った。その地で生まれ育った増島六一郎が中央大学の前身であるイギリス法律学校創立者の一人、そこに自分との繋がりを感じると。̶

福原さん:この六一郎、父親が61歳の時の子供。男と言うのは仕方ないもので年を取って子供ができると“オレはまだまだ現役だ!”っていうんで自分の歳を子供の名前に付けたりするんです。長岡に五十六ってのがいますが、これは父親が56歳の時の子。長岡より彦根の方が上ってことです。()怒られるかナ。

̶ 六一郎が東京開成学校で学んでいた頃、日本は欧米と肩を並べるベく若い人を外国に留学させていた。六一郎は官費留学ができなかった為、岩崎弥太郎に直談判しお金を借りてイギリスに留学。帰国後、学校経営に失敗していた岩崎の商業学校を借り受け『イギリス法律学校』を開学。̶

福原さん:彦根のゆるキャラが何故“ひこにゃん”か、皆さん知ってますか?その昔、彦根藩主井伊直孝一行が豪徳寺当時は弘徳寺付近を通りかかると猫が門前で手招きしてる。で、その寺で一休みしてたら雷雨になった。丁度寺で休んでいたから落雷をまぬがれたと感謝して、寺や周りの土地を修繕、整備してその寺を菩提寺にしたんですよ。で、豪徳寺には招き猫がイッパイいて、彦根のゆるキャラは“ひこにゃん”なんです。大河ドラマの『直虎』、あれ毎回猫が出て来たんですよ。近江人は猫と信楽の狸に挟まれてる。()

̶ 中大初代総長、加藤正治氏の「歩歩緩く 遅きに克たむ 冨士詣で」の句を紹介、勉学の機会を戦争に奪われた学生が復員し通信制も夜間部もある母校に再び学べる喜びを持って再入学してきた、その入学式で加藤総長がこの句を披露し彼らを迎えた話をされた。自らの歩みの遅さを自覚しつつそれを乗り越えてこそ成る冨士詣で、勉学もそれと同じ、また学び続けることが大事と説いたと。̶

福原さん:先年、長野の生坂村にこの句碑を建てたんですよ。木曜会の皆さんも是非、行って見て来てください。裏見ると“福原が書いた”ってある!()

福原さん:今、調子の悪い硬式野球部、私、部長なんですよ。ジンクスがありましてね、部長が学長になるか、東都大学野球連盟の理事長になるかすると二部に落ちるっていう。ダブルパンチってことになるかも…。今、大学スポーツで強い所はどこもメディカルチームが付てるんですよ。でも、中大は昔っからパンツ一丁の…女性の方、失礼…精神論で勝ってきた。これじゃ良い学生は来てくれない。もっとお金を入れて成果を出さないと。

福原さん:伝説の講義、知ってますか?西田幾太郎が京大でやった。その頃西田の講義は大人気で職員や教授までもが聴きに来てて、大講堂でやってたそうで。ある日西田が黒板に“生きる”と書いて一言も発しない。和服の西田が黒板の前を行ったり来たり。広い講堂は聴衆でいっぱいなのに水を打ったように静まり返って…、で、100分経ってそのまま西田は出ていったっていう。この話、私が放送大学の教授始める時に、声はいいけど顔はイマイチだからラジオですけど、説明会で他の教授に聞いたんです。放送だと15秒黙ってたら放送事故になっちゃうのに。15秒どころじゃない、金取ってんのに!あ、本題に入る前に時間が来ちゃう!()

̶ “三方よし”をこれからの金融資産活用に当てはめると、持てる者が持たぬ者に融通する→持たぬ者が事業を起こす→持てる者はその利益から配当を得る、こうして経済が活性化、社会全体が動いていく。公益資本主義という考え方。今後、少子高齢化で労働人口も減少、国の経営にも影響が出る。低金利、年金の先行きも不透明な中、なぜ投資という道を選ばないのか。貯蓄・節約は美徳、投資は危ないとの考えからだろうが、70歳以上が個人資産の35%を持っている日本“金融リテラシー”を見に付け若い人に資金を回して、金融消費者、金融受益者になるという道もあるのではないか。投資信託はイギリスの知恵、必要な人に活用してもらってその利益を受け取る、借り手よし、貸し手よし、世間よしの“三方よし”の資産活用法ではないだろうか、と。̶

福原さん:もっと勉強したいという方は福原の本買ってください。()

福原さん:少子化で18歳人口も減って大学も危ないです。だから60歳以上の人にもう一回大学生になってもらって“寿大学”でいろんな年齢層の人達と一緒に学ぶ、いいと思いませんか?さて、講演というものは聴衆がもう一回聴きたいと思ったところでやめる。講演で全部しゃべっちゃダメよ~と先輩から教わりました。皆さんお腹もすいてきたことでしょうからこの辺で。(パワーポイントの画面を指しながら)中大キャンパスをお見せして、もう一度参ることをお約束して、終わりとします。

̶ 拍手~!̶

̶ 乾杯の挨拶、境さん ̶

境さん:ライオンズクラブの会合とかでお見かけして「ホントは何を教える人かな~?」なんて思ってたんだけど、今日、分かりました。() 福原先生に活躍して頂いて我が校が繁栄していくことを祈念して、乾杯!

 ̶懇親会開始 ̶

◇結成20周年の48会の話

「木曜会のHP見て、昔の女友達から連絡来てさぁ。」「会うって言ってたよね。」「会ったよ50年ぶり。待ち合わせして、分かんなかったよぉ。」「女友達って彼女?」「彼女未満てとこ?」「知り合いで同期会行くってヤツいるんだよな、オレ、行かねえよ。ババアの顔見てどうすんの!」()「ババアって!でも、そう言うところみると、小中高といい思いしてないんじゃないの?」「そうかもなぁ。俺の青春は、大学入ってからの、石村が知ってる。」「就職してから長井、泊りに来んの、俺の職場の寮に!赤羽の。」「48会同級生で写真撮ろうよ。」48+納富さんで、パチリ。

◇子供を守る話

「新潟の事件、実家の近所。皆、安全だと思ってるんだよ。安全神話でずっときてるから警戒心が抜けてる。昔と違うから親が見守る態勢取らなきゃ。」「親もだけど、ジジババ暇なんだから見守るってしないと。NHKで『PTAグランパ』ってやってる。親が働いてるからジイちゃんがPTA活動するって話。ジジババが見回りとかするの、あれやらなきゃ!」

◇ゴルフの話

「ゴルフ、結構やってましてね。この前石垣島のANAインターコンチでやってきました。あそこ、いいですね!」「週どのくらいプレイするの?」「日やって月やって水やって土もやる。()」「凄い!」「年間780回行ってる。」「中大ゴルフ大会に備えて?」「備えて。」()「そんなに行って奥さん文句言わない?」「仕事って言って出る。」「あ~仕事ね、でも何回も使うとばれるでしょ?」「薄々気づいてて、へ~仕事ね~。とか言われる。」「いいなぁ、リタイヤしたらそれ使えない。OB会って言ってたけど、OB会って幾つあるのよ!って言われちゃった。」()

̶ そろそろお時間という頃、会長が ̶

会長:素晴らしい講義をしてくださった福原さんに質問があるそうです。

片山さん:東洋経済新報の強い大学ランキングで中大13位、慶応、早稲田に続いて私学で3位とあったと思うんですが、どうしてですか?

福原さん:本当に強い大学というテーマで、経済指標並べて。上に上智がいて、中大、14位です。まあ今年志願者が増えて8万人台に乗ったっていうのがあります。首都圏で入学者が定員の1.3倍を超えると補助金カット、中大は1.04倍に抑えたので貰える。日大商とか国学院とかカットです。でもこれ偏差値が50に近付いてるってこともあって併願校として上がったんです。偏差値60になると志願者減るんです。中大は債権を売り抜けて損しなかった。慶応は損したけどOBに訴えたら寄付金が損金を上回ったって、駒沢も曹洞宗の賽銭で穴埋めできたとかしてないとか…。() 利益が相当残ってるってことはこれから設備投資に使えるってことで、何かできるという強みでもあります。

̶ 市川さんのエール ̶

会長:時間を忘れる講義、ありがとうございました。〆の挨拶は片山先輩お願いします。

片山さん:近江商人のお話からいろいろ聞かせて頂いて、素晴らしい講義でした。ありがとうございました。〆は私がやらせて頂きましたが、エールは、どなたが?

福田さん:今日は市川さんが来てるので、市川さんに。

市川さん:硬式野球部の勝利をも祈念して、フレーフレー中央ー!

腹からの声、気持ち良かったです。

そこここに笑いをちりばめながら、講義してくださった福原学長(5/27学長に就任されました。おめでとうございます。)ありがとうございました。

例会のお手配をしてくだっさった幹事の皆さん、今回もお世話になりました。

̶ 福原さんを囲んで最後に集合写真を撮ってお開きとなりました。 ̶

(木曜会・柳)