日時:2018年3月15日(木)18:30~
場所:東京国際フォーラム東天紅
いつものように嘉本会長の挨拶で例会の始まりでしたが、講師紹介で今回の講師・司法書士の魚本 晶子さんのお名前を“マサコ”さんと読んでしまいご本人に「アキコです。」と訂正が入り「失礼しました。」と嘉本さん。福田さんの「魚本晶子(ア・キ・コを強調して)さん、宜しくお願いします。」の言葉で魚本さんの講義『司法書士からみた相続(争続・想続)対策』の開始。
魚本さん「皆さん今晩は。まだ入会して日の浅い私ですが、司法書士と言う仕事柄、私が関わった幾つかのエピソードを紹介することで皆さんの相続対策、不安解消にお役に立てるかと思いお話させて頂きます。」と始められました。
魚本さんが用意した解り易いレジュメをめくりながら、皆さん、真剣に講義を聴きました。
まず、司法書士の仕事は不動産登記、会社登記等が多く、結果、相続に関わる機会も多いことを説明されて本題に。
最近の傾向としては1)高齢化2)少子・核家族化3)国際化が相続問題に影響を及ぼす事例が増えていて、その3点を取り上げて解説して頂きました。
1)高齢化に伴う相続問題
例:父親が亡くなり相続人が、妻と三人の子供(既婚の長男・長女・次男)そして妻は認知症
次男は母親の介護を、長男は経済的援助をしていた。当然、その二人は多めに相続を受けたい。また、母親は認知症であってもその権利は守られなければならない。ということで家族間でモメる、という事態に。母親の権利の保護策としては後見人制度の利用があるが、後見人の選任には手間も時間もかかる。司法書士、弁護士等の専門家を利用するのが最も安全な方法。また、相続人に配偶者がいる場合その思惑も絡んでよりモツレることも。
そこで「遺言書、書いてみればいいですよ!」と魚本さん。書き方の手引書も数多く出ていて、とても参考になるそうです。判断能力のあるうちに『自筆証書遺言』を書いてみる。その上で自筆遺言をもとに『公正証書遺言』を作成しておくのがベストだとのこと。自筆の場合、法的な不備や、遺言書を隠されるなどの“事故”があったりして遺言書が執行できないこともあるので多少の費用はかかっても『公正証書遺言』の作成が望ましいそうです。
実際に魚本さんが担当した事例では、介護施設に入居している人が公正証書遺言を作り、それを基に血縁者でも配偶者でもないけれども長年一緒に暮した人に預金・不動産を譲ることが問題なくできたというものがあったそうです。この方は少し認知症があって、一度目に訪問した時は「知らない人が来た!」と、口をきいてもらえず、二度訪問して作成したと。
高齢化に伴う様々な問題への対処法としては後見人制度があり、判断能力が充分にあるうちに選任する任意後見制度と、既に判断能力が不充分となった場合に利用する法定後見制度がある。また、信託制度を利用するという財産の守り方もあり、身内に財産の管理を委託する家族信託や信託銀行を財産管理人に指定する方法などもある。ここで「銀行に恨みは無いですが…、信託銀行は費用がかなり掛かります、あまりお勧めは…。(笑)」と魚本さん。依頼者とあまりにモメた結果、信託銀行側が投げ出した案件を担当したことがあるそうです。
経営者の相続対策では税金の問題も充分に考慮しないと、相続する物が自宅兼店舗だったりする場合、相続税を払うために家屋の一部または全部を売るはめになる等の問題も生じることがあると。株式会社では事業を受け継ぐ相続人とその他の相続人とで相続する株式の種類を変える種類株式の利用などもあり、税理士と組んで仕事を進めるそうです。
~ここから「時間を取り過ぎたので駆け足でいきます!」って(笑)~
2)少子化・核家族化の影響
例:86歳の独身男性が亡くなり、同居人は91歳の姉、他に同居していない76歳の妹がいる
91歳の姉は高齢すぎて法的な判断、手続きは一切できないため全ての相続手続きを魚本さんが処理。思いがけず大変だったのがIT関連の処理だったそうで、固定電話と携帯・パソコン等がセットで契約されている事が多くこの解約が一苦労だったと。「91歳の姉は全く理解できず男性の携帯電話の解約には相当苦労しました。」と仰っていました。
今は携帯電話を住所録として使っている人も多く、その方が自宅から離れた場所で亡くなった場合、周囲の人は携帯のロックが解除できないため連絡先も分からず困惑するということも起きているそうです。先日52歳で亡くなった有賀さつきさんは魚本さんと同い年ということで「彼女は身辺整理をキッチリされて、銀行口座も一つに纏めて逝かれたそうです。断捨離、大事だとつくづく思いました。」と感慨深そうに話されていました。
近頃問題となっている“孤独死”も、家賃の滞納、ゴミ屋敷化などの問題も多くその処理をするにも相続人がいるのかどうかさえも分からない場合もあり、今後は行政機関の介入も必要となってくるのでは、と。
3)国際化の影響
例:相続人の中に海外在住の者がいる場合
遺産分割の話合い自体が困難、終結までに時間がかかる。
例:国際結婚
戸籍制度が無い国も多く相続手続きの終着点が中々見えてこない。
例:海外の不動産を所有している場合
相続の制度も税制も国によって違い日本の法律だけでは解決できない。
国際化は相続問題の解決に多くの困難をもたらすことも多いです、と。
魚本さんはレジュメの中で相続問題を考える時 1.自分の財産の棚卸 2.人間関係の棚卸 3.家族・近親者とのコミュニケーション等、自分の来し方を振り返る良い機会と捉えて臨んでみてはと提案されています。
遺言書には法的なこと以外に付託事項と言って自分の“思い”を伝えられる項目もあるので「自分の思いを書き残す事もできます。勿論、読む人の心を十分思いやって書くことが大切です。」と。“エンディングノート”の活用も良い方法、出版元によって多種多様のエンディングノートがあるので、書店で手にとってみるのも面白いですよと。エンディングノートは遺言書ではないので、遺言書を作る際に参考にしたり、遺言書を書けなかった場合でも家族がそれを読んで故人の“思い”を知る助けになることもあると仰っていました。(ノラコミでも出してますけど…。)
良く通る張りのある声で講義してくださった魚本さん、受講生(木曜会の面々)は聞き取りやすく、また、解かり易かったです!ありがとうございました!
魚本さんの講義が時間通り(!)終わり、質問タイムは「飲みながら~。」となり、境さんに乾杯の音頭をお願いして、懇親会が始まりました。
今回、私は初めて勝田さんの向かいの席になり、勝田さんのお隣には小平さんがいらして、楽しくお喋りできました。最初に話題に上ったのは田口さんのこと。勝田さんが「田口さんて、やたら顔が広いんだよね。」と言うと、勝田さん小平さん、お二人同時に「それも女性に!!」。声もピッタリ、ユニゾン!?って思うくらいに。「女性に、ですかぁ!」と三人で笑った後、勝田さん「僕もね田口さんにくっついてって何とか女性の知り合いを増やそうと思ってるんだけど、中々ムツカシイねぇ。」と、また三人で笑いました。
右隣は山本 代王さんがいて、話してるうちに私と同期だということが判明。S54年入学58年卒業…の筈なんですが、山本さんは「58年卒じゃないんですよ。1年、遊んでたから」と。何処かに留学されていたのかと伺うと「ホントに1年間、フロリダへ行って遊んでた」とのことでした。1年余計にお勉強(?)し、大学卒業後はユニデン株式会社に入社、その後本社がアメリカにあるIMGという会社(アスリートやモデルのマネージメント、イベントの企画運営の会社)に転職、そこでの経験を生かして昨年12月独立なさったそうです。『株式会社オフィスしろお』(代王と書いてシロオさんと読むお名前だから)「イベントを計画している人とそれを実現できる人とを結び付ける“接着剤”のようなことをやってます。」と仰っていました。多分、フロリダでの1年が活かされていますよね。
小平さんと山本さんと私で、同じ年ごろの人間が何人か集まると病気の話が出る、我々の年代(50代後半)から段々そうなる、なんて話していると勝田さんが「え、そう?僕は全然そういうことないよ。快調!」と仰る。勝田さんは昨年嘱託でされていたお仕事も辞め、今は悠々自適の生活で、毎日2時間くらいストレッチをやっている、そうです。見習わなくちゃ、です。
温かい紹興酒が出てきたのでそれを飲みながら周りを見ていると、勝田さんと後藤さんは紹興酒のチェイサーにビールを飲んでいました!!
左隣の佐藤さんも一緒に木曜会旅行の話、秋の箱根日帰り旅行は快晴で気持ち良かったですと、参加できなかった人を羨ましがらせ、新入会員さんお三方(2度目のお試し参加の戸田さん、私と同期の山本さん、19年振り!に参加の只埜さん)のご挨拶を「木曜会は入会審査が厳しいヨ」と言いながら(笑)聞き、納富さんが箱根駅伝の生みの親“金栗 四三”が来年の大河ドラマの主人公に決まったので皆さん是非観ましょうと熱く語るのを「昭和の人間が主人公なんだ」と興味を持ち、ワイワイ楽しくお喋りしている内に時間がきて、そして、長井さんの一本締め!でお開きに。
この日は、小平さんと講師をされた魚本さんと私の三人で丸ノ内線に乗り、色々お喋りしながら新宿駅まで一緒に帰り、面白かったです。Iさんがネット検索で探し当てられ、ウン十年振りに若いころのお知り合いの女性と会う(!!)なんて話も聞き込みました。(次回はその顛末を聴きたい!)
今回もお手配頂いた幹事の皆さん、お世話になりました。いつもありがとうございます。
【木曜会・柳】