東京木曜会定例会2015年5月例会報告
日時:H27年5月21日18:30~
場所:新宿センタービル東天紅
卓話講師:元読売巨人軍選手・末次 利光 さん(S40年卒)
今回の講師は中央大学野球部OBで巨人軍の右翼手、王、長嶋に続く5番打者として長く活躍し、引退後は巨人軍のコーチ・二軍監督・スカウト部長を務められた末次利光先輩でした。今は『九州ベースボールアカデミー宮崎・熊本』の名誉校長をされておられるそうです。
プロ野球での活躍は皆さんご存知だと思いますが、大学に入学した当初はレギュラーではなく、練習を見に来る観客の整理ばかりやらされていたそうです。1年時は炊事当番で2年の先輩達と選手の御飯を作ったとか。1年の秋、東都大学リーグ2部のオープン戦に初めて起用されホームランを打ち、それから本格的に中大野球部の選手として7シーズンプレイされたそうです。
卓話では往年の名選手達の裏話も交えてお話しくださいました。
☆エピソード1…川上監督の話
末次さんが野球界で生きるていくきっかけとなったのがその弟さんに野球の指導を受けたことであった郷土の大先輩、川上哲治さん。郷土の英雄とも言える川上さんは尊敬しすぎていて怖い程だったと。同じチームの監督と選手という立場になっても緊張のあまり口もきけなかったそうです。それに比べて末次さんの1年後にドラフトで入団してきた堀内恒夫投手は平気で川上さんと話をしていて“べらべらしゃべっている!”、ビックリしたそうです。
☆エピソード2…藤田監督の話
球界の紳士と言われる藤田元司さん。礼儀正しく、お酒は一滴も飲まなかった藤田監督。自分は一滴も飲まないにも拘らず遠征先やキャンプ地では必ず行きつけの飲食店にボトルをキープしていて、主力選手達には必ずボトルを入れておくようにと指示していました。それは新人選手や助っ人外人選手がチームになじむ為には、先輩選手が食事に誘ってよく話を聞いてやることが大事だと考えていたからで、そういう気配りのできる監督さんだったそうです。ただ、時々、怒りが爆発することもあったとか。後はさっぱりして尾を曳かない気性の人だったので“瞬間湯沸かし器”と呼んだ…らしいです。
☆エピソード3…長嶋さんの話
“ミスタージャイアンツ”の長嶋さん逸話にはこと欠きませんが末次さんの印象に残っているのは、わざとゆるい帽子をかぶってプレイし帽子が飛ぶのを利用してプレイを派手に見せていたこと。その他にも観客を楽しませる演出を色々工夫していたそうです。“観客あってのプロ野球”ということでしょうか。今はリハビリに励んでいて雨の日でも休まずウォーキングをしている長嶋さん、元気になってこれからも球界を引っ張っていって欲しいと仰っていました。
☆エピソード4…王さんの話
末次さんは遠征先の旅館やホテルで国松彰選手と王選手と同じ部屋だったそうです。寝る時間が近づくと国松さんが部屋にある物を使ってせっせとバリケードを作っている。はじめの内は「何をしてるんだろう?」と不思議に思っていたけれども、王選手が眠ると「アッ!このためか!」と気付いた。王選手は寝相がとんでもなく悪く自分の布団からはみ出し、移動し、人の顔をけったりなんかしながら1回転、朝は元の布団にもどっているという人で、その防御のためのバリケードだったのです。末次さんの顔の上に王選手の足が乗っていたことも…。でも王選手は寝相が悪い時ほどプレイの調子が良かったとか。
他にもいろいろなお話を聞かせてくださった末次先輩、末次先輩を木曜会に呼ぶ為お骨折り頂いた後地先輩、ありがとうございました。
(木曜会・柳)