日時:9月21日(木)18:30~
場所:国際フォーラム東天紅

河野会長挨拶

河野会長挨拶

いつも通り福田幹事長の司会で、第194回例会が始まりました。まずは河野会長の挨拶から。 

河野さん:9月21日はファッションショーの日だそうです。昭和2年に三越で初めてファッションショーが行われたのを記念してということで。もう10月にならんとしているのに未だに30度超え。私なんかその内1年中アロハになりそう。さて、本日の講師は川手大先輩です。川手先輩のお話なら聴きたいと4人ゲストの方がみえました。川手先輩はもう夜は出ないようにしてると仰っててダメかと思いましたが、今回快く引受けてくださいました。もう何を話して頂いても結構です!では、どうぞ。

◇◇◇◇講話◇◇◇◇

川手正一郎先輩、昭和7年生まれもう91歳になりますので適当に喋らせて頂きますと、始められました。

講師の川手先輩

講師の川手先輩

中大進学まで
終戦の年、旧制韮崎中学(山梨県)に進学。受かんないだろう思って受けたらうかっちゃった、そうです。後輩にノーベル賞受賞者の大村智博士がいて、同窓会等の集まりでいつも隣に座って話をしていた彼が “ノーベル賞受賞者!” と驚いたと。中学を卒業し農家の長男として後を継いで1年 “まだ若かったのにもう腰が痛くてやってられない” で、就職しようとしたけれど、“勉強してない。碌な就職口はない” と一念発起、中大を受験。また受かんないだろうと思って受けたらうかっちゃった、そうです。

政治と関わる
大学1年の夏休み、アルバイトしなきゃと蚕種商を営んでいた沼津の親戚、名取家に。当主の名取栄一氏は同郷の石橋湛山を応援していて、その手伝いをしたのが第一歩。そこから平林太一、鳩山一郎と繋がり、鳩山家へ。“若い人にもっと政治と関わって貰う” 為に『友愛会』を立ち上げようとしていた鳩山一郎に発起人を頼まれたが、“発起人は嫌ですが第一号会員になります。” と答え会員に。そこで渡部恒三、桂由美らと出会う。「渡部恒三、訛があって “4時より” が言えない。4時よじになっちゃう。何回言っても “よじよじ” なの(笑)。彼とは長く付き合いました。死ぬまで付き合った。」と感慨深そうに。

第一證券へ
大学卒業後、湛山の後援会長で東洋経済新聞主幹の三浦銕太郎に “政治家になるには経済を知れ” と言われ、第一證券に “強制的に(笑)” 入社。「三浦銕太郎にも可愛がられました。」と。財界人を良く知っていたから重宝がられ、第一證券に勤めながら湛山邸の玄関番3ヶ月。第一證券に29歳まで勤める。

講話傾聴中

講話傾聴中

独立
28歳で債券部長、29歳まで第一證券に勤めたが独立、日本投資株式会社創業。周りからは “その年で債券部長なら、ゆくゆくは社長になれるかもしれないのに勿体ない” と言われたが、退社。辞める時お得意さんが無利子無担保で資金を出してくれ6000万円集まる! 資金の1部で部下たちを “アメリカを見てきなさい” とアメリカに。川手さんは1959年に国の海外派遣第1号として3ヶ月アメリカに行ったそうです。この部下の方々 “私、1人で辞めるつもりだったのに、付いて行きますって6人付いてきちゃった” 方々。「事務所構えてから第一證券の部長が挨拶に来て “あれっ君たち⁉ ” ってなって、中々気まずかった(笑)。」と。この頃、顧客から預かった資金を運用する、所謂 “ファンド” 事業をやろうと申請したが国の許可が下りなかったと。「昭和48年に許可が下りて、私、1年早かった!」そうです。

従僕に英雄なし
鳩山会館の館長を17年間務められた川手さん、鳩山安子さん(威一郎夫人)には絶大な信頼を置かれていて会館の修繕について一任され、40年前に工費18億の修繕を取り仕切ったと、安子夫人の “川手さんにお任せします” の一声で。家の中の事について威一郎は一切口出ししなかったそうです。“従僕に英雄なし” の言葉を引いて「どんな偉人も家に帰ればただの人。その家で働く人にとっては英雄も凡人も無く、ただの人ということです。皆、奥さんに頭が上がりません。うちも同じです(笑)。」だそうです。

講話傾聴中

講話傾聴中

選挙参謀として
投資会社から商事会社(ニッセー(株))と経営は続けながら選挙にも関わる。3連ポスターを作って第一京浜に貼り、警察から撤去するよう要請され撤去するも2〜3㎞先に貼りそして撤去を繰返すというスレスレ気味な事もやり、かなり話題になった事も。この3連ポスター、1枚目に顔2枚目3枚目に色違いで名前というデザイン。候補者はトップ当選だったそうです。石原慎太郎の初選挙では “裕次郎は受かるだろうけど慎太郎はどうかな? ま、やってみるか” と参謀に。が、当選の芽が出てくると “参謀なんか要らない” と言いだし川手さんがじゃあ選対解散だと返すと、謝ってきた。石原慎太郎は怒られたことのない人 “俺を怒ったのは川手だけ” と言っていたそうです。

ニッセーデリカ
会社が軌道に乗り川手さんに時間の余裕ができた頃から15年ほど資生堂の販促専門にやっていたが “衣食住の何をやれば仕事が展開し続けるだろう? ” と考えて、“粉物だ!” と思い付く。そして麺類中心の事業に取り掛かる。丁度、札幌ラーメンがブームで小樽に工場を造り、ラーメンを製造、東京へ輸送しようと計画。陸送だと3日も掛かる、で “空輸しよう” と思いついた。が、“バカ言っちゃいけない(笑)” 単価の安いラーメンを空輸すると値段が倍になると言われ川手さん、考えた。他社の荷物だと運賃が掛かるけど全日空商事の荷物なら只という情報を得て “製造はニッセー、発売元は全日空” という形にして売り出す事に。全日空が客席にチラシを配布、新聞にも取り上げられ、『空飛ぶラーメン』として評判になり、凄く売れたそうです。「ちょっとしたアイデアで新しい展開が見えてくる。目標を持つのではなく “変化対応” 今あるものがどう変化するかを考える。」と仰っていました。

私と癌

私と癌

終わりに
「今はよく歩くようにしてます。1日5000歩は歩きます。」と。歩くとは足を鍛える事じゃなくて “脳” を鍛える事、足より先に脳が鍛えられると信じていますと。癌を患いそれを克服した川手さん、座右の銘は “負けたら終わりではない、諦めたら終わり。諦めなければ勝てる” だと。「91歳になった今も未来を信じています。命は時間、時間は今、一瞬。この一瞬が一生です。」とも。“性相近し、習い相遠し” という諺を引用され、生まれた時は皆同じ、後の努力で人生が変わっていくと。また、人との出会いも未来を拓く、出会いを本物にするのは “感謝と尊敬” この気持ちを持って笑顔で人と接することが大事と。「皆さん、ニコニコ笑顔で挨拶、そして、ありがとうを忘れないように。笑顔で人生が変わりますよ! 以上、ありがとうございました!」と、話を締め括られました。

川手正一郎の言葉

川手正一郎の言葉

                  
◇◇◇暫し歓談◇◇◇

村山さん乾杯の音頭

村山さん乾杯の音頭

福田さんのご指名で村山さんが乾杯の挨拶。

村山さん:村山です。乾杯の挨拶をしろとたった今命じられ、幹事長の命令となれば聞くしかないので。皆さんのご健康とご多幸、川手先輩の訓示をこれからも頂けることを祈念して、乾杯!

乾杯の声と拍手と共に歓談の始まり。

「国際フォーラム、神田で乗り換えた方が早いって言われて。有楽町の駅出たら道が分からなくてウロウロしちゃいました!」「東京駅の方が分かり易いかもね。」「学員会を後で出た佐藤さんの方が先に着いてました。」とか。「小柳さん、ゴルフにハマってる。奥さんと練習場に通ってるらしい。奥さん待たせて。」「えっ一緒に練習するんじゃなくて?」「そう。奥さんは待ってるの。」とか。「いつも何飲んでるの?」「ここでは紹興酒です。」「あ、中華料理だもんね。僕は焼酎。」とか。ワイワイ、ガヤガヤと。

後地さん

後地さん

◇◇◇ゲスト挨拶◇◇◇

福田さん:これ以上飲んじゃうと皆さん誰が誰だか分かんなくなっちゃうから、4人のゲストの方、自己紹介を。南甲より審査が厳しい木曜会―笑―先程の川手先輩のお話のように笑顔でお話頂ければ合格です。では、大先輩の後地さんから。
後地さん:川手さんとは同期の桜、お互い卒寿を過ぎました。木曜会に顔は出した事がありますが、会員になった事はないです(笑)。―もう新入会員ですよ―南甲では3年間交流委員やってましたが、コロナで集まりも減って、この会に誘われて川手が講師って、それは出席しないとと。今日はどうもありがとうございました。
河野さん:「入会申込書を宜しく。」と念押し。
福田さん:次は宿谷さん。

宿谷さん 山田さん 茂岡さん

宿谷さん 山田さん 茂岡さん

宿谷さん:初めて参加してます宿谷です。川手先輩に聞いた“性は近し習いは遠し”とか“小人は縁に出合って縁に気づかず、中人は縁に出合って縁を活かさず、大人は袖触れ合うた縁をも活かす”とかの言葉、コツコツ貯めて自分の糧にしています。今後とも宜しく。―入会宣言!―
福田さん:続いて山田さん。
山田さん:初めましてH7卒の山田です。今日は川手先輩の話が聞けるというので参加しました。元気だけはあるので、おはようございますと、ありがとうございますは元気に言うようにしてます。木曜会からは今までお声が掛からず、今回初めて声を掛けて頂いたので入会宣言します!
これから入会審査だよの声に、大笑い。

長井さん 村上さん 村山さん

長井さん 村上さん 村山さん

福田さん:では、村上さん。
村上さん:H18卒の村上です。川手先輩お話、ありがとうございます、もっともっと聞いていたいです。弁護士をしていますが新司法試験組です。―新!新だって、若い!(笑)―弁護士の仕事も多様化し海外や宇宙にまで広がるような案件もあります。益々努力しなくてはと思ってます。これからも宜しく。
福田さん:4方の入会を認めて頂くという事で。―拍手―では入会申込みと同時に入会金を。
ここで“2本2本”と何方かが。2本とは川手先輩のお話に出てきた“2本は2億”の事!で、皆さん大笑い。

  • 後藤さん 嘉本さん 佐藤さん

    後藤さん 嘉本さん 佐藤さん

  • 井上さん 顔出しNG? 宿谷さん

    井上さん 顔出しNG? 宿谷さん

                  
◇◇◇暫し歓談◇◇◇

村山さんから指笛の会のお知らせ「11月5日に清瀬で仲間と演奏会やります。アマチュアでやってますのでお金を頂こうとは思ってません。思ってませんが、下さると言うならありがたく頂戴します! 今月30日の誕生日で59歳になります。」皆さん、えー⁈「噓です。79です。」大笑い! 「年に1度、指笛を聴くと寿命が10年伸びると言います。皆さん、宜しく。」とのことでした。

指笛演奏会開催

指笛演奏会開催

境さん 関口さん 長井さん

境さん 関口さん 長井さん

茂岡さん「うち、高知の馬路村のポン酢醤油を愛用してる。」「ありがとうございます!」と言ったものの何で私がありがとう?となって茂岡さんと顔を見合わせてアハハ。「馬路のポン酢のナントカ山ってのが美味しいんですよ。」ナントカ山は私も分からず「何山でしょう?」「何山だっけ?とにかく、スーパーの棚で1番先に品切れになるのが馬路村のポン酢!」「ありがとうございます!…何のありがとう?」ここで福田さんも加わって3人でアハハ。この後、境さんが「柳さんどうぞ。」と紹興酒を勧めてくださり、茂岡さんが「あ、失礼。気が付かなくて。」境さん「茂岡さん頼みますよ。ちゃんと気が付いてくださいよ。」と。お二人とも気を使ってくださりありがとうございました。

  • 櫻井さん 河野さん

    櫻井さん 河野さん

  • 石津さん 勝田さん 松田さん

    川手さん 勝田さん 松田さん

◇◇◇川手先輩ご退場◇◇◇

8時半頃、川手先輩がお帰りになるというので皆で拍手とありがとうございましたの声で、お見送り。まあまあな歳の私でも、明日への希望が湧いてくるお話を聞かせて頂きました。

◇◇◇暫し歓談◇◇◇

魚本さん 福田さん

魚本さん 福田さん

川手先輩をお見送りした後、私は茂岡さんを捕まえて(笑) “3億円事件” の話を。多摩地域に住んでいた20歳前後の男性の多くが警察に事情聴取を受け、多摩地区出身の歌手の布施明も事情聴取を受けた話をしたら「布施明のお兄さん、横浜市立大の教授だったよ」と言われビックリしたりしました。余談ですが、検索したところ布施明さんの兄の布施勉さん、中央大学の卒業生でした!

時々、福田さんや魚本さんの朗らかな笑い声が聞こえ、一頻り、皆さん楽しくお喋り。そしてお開き。

◇◇◇お開き◇◇◇

茂岡さん締めの挨拶

茂岡さん締めの挨拶

福田さん:宴たけなわではございますが、お時間です。後地先輩に一言。
後地さん:久し振りに出てきて酔っぱらっていい気分です。先日、サトウキビを栽培してラム酒を造るという事業の見学に連れて行ってもらいました。新たな事業展開で国産ラム酒が飲める日も近いかもしれません。でも景気のいい話ばかりではなく、私の出身の紀州3県、和歌山、三重、奈良どこも人口が減っています。選挙で合区の話も出てます。これは今、日本中で問題になっていることです。木曜会の皆さんも地方のイベントに積極的に参加して、日本を盛り上げましょう!
福田さん:その内、後地先輩にも講師をお願いします。締めは、私が指名させて頂きます。茂岡先輩、宜しく。
茂岡さん:こんな酔っ払いの挨拶でいいのか?川手先輩、後地先輩の心に沁みるお話の後なのにって。えー、今年はプロ野球、阪神が“アレ” しまして、うちの婿殿、姫路出身で根っからの“阪神ファン”もう大喜びで、私も今年だけは阪神ファンです!―大笑い―来年の箱根駅伝は百回の記念大会、皆さん、沿道で応援しましょう。嘉本さん、新年会来てください…ええと、何の話だっけ?―爆笑―では3本締めで。
茂岡さんの“皆様のご健勝と箱根駅伝の中大優勝を祈念して、よ~”の掛け声で、賑やかに3本締めでお開きとなりました。

福田さんの、いつもの“名札は外して帰りましょう”に送られて帰途に着きました。
幹事の皆さん、お世話になりました。

◆◆石村さんの事
この報告を纏めている最中に石村さんの訃報を知りました。9月14日永眠とのことで、川手先輩の著書の抜粋『癌と私』を石村さんに読んでもらい元気を出してもらおうと、木曜会の皆さんが話していた時には既に亡くなっていたと知り、とてもショックでした。

長井さん 石村さん 川野さん 関口さん

ハスキーな声も、入会間もない人を「こっちこっち、此処、空いてるよ。」と呼んでくれる気遣いも、話の途中にちょこちょこ笑える下ネタを挟むお茶目なところも、大好きでした。また木曜会でお会いできると思っていたのに寂しいです。

(木曜会・柳)