東京木曜会2023年1月例会報告
日時:1月19日(木)18:30~
場所:国際フォーラム東天紅

福田さんの司会で3年ぶりに外部講師をお迎えした例会が始まりました。

福田さん:本日の講師はNHK 放送文化研究所研究主幹の島田敏男さんです。会長挨拶を。

国際フォーラム硝子天井

河野さん:明けましておめでとうございます。中大には東スポならぬ中スポがあるんです。東スポはホントのことは日付だけ(笑)。中スポ、ハンドボール部インカレ2連覇、バレーボール部全勝優勝、サッカー部1部に、軟式野球6連覇と今期は盛沢山ですが、何と言っても駅伝!予想を上回って総合2位。来年が楽しみですね。さて、講師の島田さんお若い人は知らない…若い人はいないですね(笑)。 NHKの日曜討論という番組でMCをなさっていました。先日『まずは一杯の会』というので島田さんと飲ませて頂いて、弁論部の先輩の松本彧彦さんもご参加だったので“木曜会にご参加ください”とお願いしましたら、今日、来てくださいました。松本先輩は台中関係の専門家です。中大OBOGばかりで口も堅い(?)ので、松本先輩も是非そのうちお話聞かせてください。では、島田さん。

島田さん:順天堂大学でジャーナリズム論の講義を持ってます。今日も大学生相手に講義してきました。今の学生に現在の社会情勢をどう話せば理解してもらえるか日々悩みながら講義してます。この後社会人の皆さんに話をするから、君らの授業は5分早く切り上げと言って出て来ました(笑)。

卓話の資料3枚と、日台中の地図、放送文化研究所主幹として書いているブログの最新記事のプリントをご用意。 資料はこちらから >>>

“話しながら皆さんの反応も見させて頂いて今後の参考にします”と始められました。

◇◇ 島田先輩の講義―資料を見ながら― ◇◇

講師の島田敏男さん

現政権について

1. 去年7月の安倍元総理殺害事件直後の参院選
・同情票が集まり勝利と言われているが、党幹部は過半数は取ったが大勝利とは言えない辛うじての過半数との見方。

2. 支持率
・7月の事件直後まで高い支持率。安部元総理の“防衛費2%”“核共有”等の発言を諫めるような態度で支持率を維持。“鷹っぽい安倍から鳩っぽい岸田”へ。
・早々に国葬を決めたが実施までの間に、旧統一教会の霊感商法問題、統一教会と安倍家・自民党の癒着問題が噴出。支持率低下。

3. 国葬 
・最大派閥安倍派をコントロールできると踏み切った国葬だったが効果は薄く。
・“派閥の力学”から抜けられず。岸田さんの聞く力は“派閥の意見”を聞く力に。

4.年明けも支持率低下
 ・旧統一教会問題での党内調査の甘さ、相次ぐ閣僚の辞任、決断の鈍さへの批判が集まり支持率低下。
 ・与党支持者の岸田離れが止まらず統一地方選挙を危惧する地方議員の声“こりゃあ選挙にならんぞ”が沸々と。菅前総理再登板の動きもあり“岸田おろし”の可能性有りか。

5.不支持を外交で挽回?
 ・“実効性に疑問はあるものの”昨年2月の露のウクライナ侵攻への厳しい姿勢(プーチン大統領を入国禁止リスト・資産没収リストに入れる等)で支持を得ていた。
 ・岸田首相としては何の保証もなしに北方領土が日本に帰って来るかのような幻想を抱かせる“安倍プーチンの蜜月外交”に不満。安倍外交を否定し岸田総理の独自性を見せた。
 ・バイデン大統領との会談、ヨーロッパ歴訪での外交手腕発揮で“パンパカパ~ン”と支持率回復の予定。が、国民は続く不況に重ねての防衛増税への不安、不信の方が大きい。

6.米と中の間で
 ・中国をG7との関係を保ちつつ米と並ぶ大国にしたい3期目の習近平。日本は米に軸足を置きつつ“中国をどう手繰り寄せるか”が課題。

7.中国建国100年(2049年) 
 ・中国をアメリカを凌ぐ強国に発展させたい習近平。ウクライナ侵攻でロシアの技術水準の低さが露呈。習近平は資源があるロシアを“ジュニアパートナー”にしたい。

8.米の思惑
・中米関係、経済相互依存でほぼ現状維持で進むと踏んでいる?

9.長引くウクライナ侵攻の先行き
 ・ウクライナを支えるG7、NATOに綻びがうまれないか?

10.日本の立ち位置
 ・台湾有事の際の欧米各国の協力を期待して動く。

岸田ビジョンの先行きは?

 ・広島出身の岸田氏の目指す“核なき世界”“日本のかたち”を如何に説得力を以って示せるか。力による現状変更をさせない中庸な精神振る舞いを示せるか。中国に対しては“多少人口が減って軍事力が落ちても、そこそこ儲かる国として世界から信用された方が得ですよ”を納得させることができるか。今はその一里塚としてG7で結集してウクライナを支援。アジアの安定を目指し、サミットに向け軍事的な要素を積んでいく事も重要。

 ・今国会、4月の統一地方選を乗切って、広島サミットを成功させた先に再選を目指して衆議院解散総選挙。議席数を伸ばし圧倒的な力を持って総理に再選されるのが岸田さんの目論見。今はその道筋が見えてこない。国民との目線とズレが大きい。国会の論戦で1%程度の防衛増税、大企業に限っての法人税積み増し、この承認を得るだけでも大変な時間と労力が必要。日本の周辺事情を鑑みて国民の皆さん一緒に我慢してくださいと、心を掴む話ができるか。情を以って理を通す、語る力が問われる。

島田さん:安倍さんは、プーチンに“北方領土を返し日本と良好な関係を築きアメリカとのパイプ役を確保しておかないと経済的に伸びしろのある中国にいいように利用されますよ”と話したと言ってました。安倍さんは安倍さんで考えがあった。安倍さんには安倍さんの、岸田さんには岸田さんのいい所と悪い所がある。12年の日曜討論MCの経験から学んだことの一端をお話しました。ご清聴ありがとうございました。 

福田さん:島田先生ありがとうございました。―拍手―

◇◇歓談◇◇

伊藤さん 井原さん 嘉本さん

福田さん:乾杯の挨拶、前会長の嘉本先輩。
嘉本さん:乾杯要員になっちゃったみたい(笑)。島田さんありがとうございました。日曜討論、よく見ていたんですけどこんなに明晰で弁舌爽やかな人が同窓で嬉しかった。今日の今日まで先輩だと思ってたら56年卒、私53年卒の筈だったんですけど54年卒になりまして(笑)私の方が先輩でした。今日は有益なお話ありがとうございました。では、東京木曜会の益々の発展を期して、乾杯!

―グラスを合わせる音―

歓談中

島田さん:ここの東天紅初めて。でっかいスタジアムみたいな所ですね。―僕、迷っちゃった―まっすぐ来られました。世界中、初めての所、得意!

松本さん 島田さん 川野さん 河野さん

河野さん:講師のお願いしたのは半年くらい前でしたっけ。その間、バタバタと予定が入ったりして今日に。
島田さん:今、混沌としてますから世界も日本も。岸田さんとしては23日からの通常国会、これが凌げるかどうかが大きな潮目。国際環境もプーチンが2月に入って何やらかすか、これまた分からない。答えのない世界。
川野さん:国会議員が悪いんじゃないですか
島田さん:国会議員もです。企業経営者も国民も。税金払いたくないばかり言ってちゃだめです。ダボス会議でもグローバリゼイションの限界とか言ってますけど。世界を経済で繋ぐ、これはグローバリゼイションの中でもある程度育ってきた部分。これを捨てちゃダメですよ。ブロック経済にしたらろくな事ありませんよ。

◇◇写真タイム◇◇
皆さんの写真を撮っていると何方かが“葬儀の時に使わして頂きます”と、コレコレ縁起でもない。

久し振りの魚本さんと

河野さんと小柳さん

歓談中

◇◇久し振りにご参加の方々◇◇

福田さん:常に来られている方はまあいいとして(笑)。久し振りにご参加の皆さんに近況を。まずゲストで来て頂いた松本先輩に。
河野さん:松本先輩に3月例会講師のお願いをしたところ先輩が2月に台湾に行かれるそうなので、3月の第3木曜日が空いていたら宜しくと。
福田さん:もう3月第3木曜はこの場所確保しましたんで。―笑いと拍手―

ゲストの松本先輩と講師の島田さん

松本さん:38年卒です。12月27日が誕生日で、83歳になりました。今のところ元気。いろいろと基礎疾患あるんだけどね―笑―気にしてもしょうがないしコロナも経験しましたし―おお―高齢者で基礎疾患持ちだとアウトって、でも私を見て頂ければそんな大したことないなと。台湾の話が出ていますが、私は20代前半から自民党本部青年局で仕事をしました。当時は佐藤政権で全人友好外交というのを展開してて、日米が基軸。韓国、台湾、日本が手を携えていかないとアジアの平和と安定は望めない。将来を見据えて今から青年交流をやりなさいと。青年局長・海部俊樹、青年部長・小渕恵三、学生部長が橋本龍太郎さんという布陣で、3人とも総理になったわけですけど。その青年局のなかで小渕さんと私が中心になって活動したのが運の尽き―笑―で、台湾と縁が切れずに来ております。詳細は3月、乞うご期待で。お見知りおきください。

次は伊藤さん。

伊藤さん

伊藤さん:57年法卒です。コロナになって以来お邪魔してなかったので3年ぶりぐらいです。中大に行ったおかげで今の私があると思っているので恩返しもしなきゃと、少し前に1年生の講義を持ちました。法律家になるとこんな楽しい事ができるかと若者を騙すような(笑)講義をしてました。弁護士、検察官、裁判官全員中大OBがリレーで法律家の良さを講義しました。法学部の戦略講義です。今ご縁があって中大男子バレーボール部後援会副会長。石川祐希君、会社に来てくれて一緒に京王線に乗ったりしました。彼、すっごく大きいから目立ってて、僕まるで付人のようになってて(笑)。実は私、奥さんも中大で見つけたもんですから、中大様様!

次は魚本さん。

魚本さん

魚本さん:S63年法学部政治学科卒です。私がいたクラスは50人中女子が2人だったのに、どうして旦那さんが見つけられなかったのかと。不思議でならない!(笑)大教室の授業で教室に私1人しか女子がいなくて余りに居心地が悪すぎて出ちゃったこともあったんですよ。え~私も法学部で、後期13人クラス一コマ持ってます。今年4月から茗荷谷に法学部が移転するので最後の多摩。今、多摩校舎は学生がたむろしているような所もなく非常に静かな印象です。今年度はリアルで授業やりましたが、去年まではウェブ授業でした。私はバブル期の学生でしたが、今の学生さんは全く違う4年間じゃないかと…。近況としては、去年初めに腕を骨折し最後は帯状疱疹で締めるという1年だったので、皆さんくれぐれも身体をお大事に。皆さんと元気にここでお会いしたいので、積極的に木曜会に参加します。宜しくお願いします。

次は舛森さん。

竹村さんと舛森さん

舛森さん:57年卒です。コロナもあってこういう会は久しぶりです。去年は私の会社の創業者が引退するというので、株をどうするとか、特別退職金はとか色々ありまして、それを株主総会で通す、地獄の調整(笑)をやりました。それから開放されたので今年は木曜会に出易くなったなあと。大学に貢献はあまりしてないんですけど23年前に聞きたいことがあって学員会に電話したら“丁度いい57の年次支部がないから立ち上げろ”って。当時は個人情報そんなにうるさくなかったので紙で名簿を貰いまして、私の代は卒業生7800人、その内3500人分の名簿を!―おお~!―今、57会は800人。活発に活動してます。―木曜会束ねるのなんか簡単でしょ、と河野さん―いやいやいや~。宜しくお願いします。

ここで小柳さん。お~久し振りの声。

小柳さん

小柳さん:H3年政治卒っていうと魚本さんと一緒の挨拶になっちゃう。久し振りって言われたんですけど、去年、講師やったんですけど。―面白かった!―新宿白門倶楽部の幹事長やってるんですけど、中々曲者が多くて(笑)。木曜会は穏やかな方が多いので福田君に任せてるんですが―木曜会では副会長だからねと、河野会長―今年は出来る限り、ま、年に1回くらいは―年に1回⁉―出たいなと。今後とも宜しくお願いします。

「年会費貰ってない。」「えっヤバい!」「小柳さんの奥さんには、東京木曜会と福田というは禁句らしいです。何をやってるか分からない団体らしいですよ。」
「ならず者の集まりみたいじゃない!」「そこの副会長だからね!」と一笑い巻き起こして着席の小柳さんでした。

HPを起こして頂いている柳さんとご指名がありましたので「東京木曜会のHP、たまには読んでやってください。」とお願いしておきました。

◇◇暫し賑やかに歓談◇◇

締めの挨拶 長井さん

福田さん:集合写真を撮りますので、皆さん、さっさと帰ってしまわずに。締めは長井先輩。

長井さん:島田さん、貴重なお話をありがとうございました。これを機に政治に興味を待って日本が少しでも良くなるように努力しましょう。一つ具体的な例を。私、旅行会社に勤めててアメリカにも居たんです。給料安いもんだからアメリカ政府が同情したのか、アメリカの年金が若干出るんです。その伸び率が8.7%。―凄~い!―岸田さんを首め皆さんに頑張って頂いて是非賃金を上げて頂きたい!賃金が上がって個人消費が伸びないとGDPは上がらない。そういう方向に持って行けるように頑張って頂きたいと思います。自民党の大御所である川野さんにも!

川野さん:政治家も悪いし、マスコミも、まだ、悪いと私は思うの。
島田さん:それを実現するにはこれから先の人生で残そうとしないで使い切る、これが大事!それをここにいる皆さんがやるだけでだいぶ違う。
長井さん:皆で頑張りましょう!じゃ1本締めで。皆様のご健勝と日本国の益々の発展を祈願致しまして、よ~。

1本締めと拍手、そして皆で集合写真を“はいチーズ”と“1+1はニ~”でパチリ。

チーズでパチリ

1たす1はでパチリ

福田さんの「名札はずしてください。変な人って思われないように。」の声に送られながら、散会となりました。

今回も幹事の皆さん手配り、気配り、ありがとうございました。今年もお世話になります。
 

(木曜会・柳)