河野会長挨拶

河野会長挨拶

日時:2024年9月19日(木)18:30~
場所:東京国際フォーラム東天紅

河野会長:こんばんは。200回です。何かあるといいなあと言ってたら幹事長が夜なべで横断幕、作ってくれました。年6回で200回ということは何年か? 計算したら33.3333年となりまして(笑)。コロナの時も東天紅さんが開けてくれると言うならと頑張って例会続けて200回、今日はやまと師匠。一昨日は中秋の名月、お団子買ってススキを食べて―ススキは食べないよ!―(笑)今日は彼岸の入り、35度越えの猛暑もあと1日とか、そこを乗越えて元気で涼しい秋を迎えましょう。では、やまと師匠、宜しく。

福田さんとお手製の横断幕!

福田さんとお手製の横断幕!

 福田幹事長手作りの200回記念横断幕の下、河野会長の何やらとりとめのない(失礼!)挨拶から9月例会が始まりました。

◇◇◇◇やまと師匠のお話し◇◇◇◇

「どうも、落語家の桂やまとと申します。え~身体の向きを椅子ごとこちらに向けて頂いて、そんな塩梅で。河野会長にお声を掛けて頂いてお邪魔してますが、河野さんに東京木曜会って何ですかってお聞きしたら、木曜に東京で集まる会ですって完璧に答えてくださって。」皆さんゲラゲラ。「記念の200回例会に呼んで頂いて嬉しい限りです。」よく通る声でのご挨拶から『落語について』の講話開始。

やまと師匠講話中

やまと師匠講話中

◇クイズを出しながら、落語の歴史
師匠:東京に寄席が何軒あるかご存知ですか? ―皆さん??? ―上野、浅草、新宿、池袋と国立劇場の中に1つあったんですけど今建替え中なんで、今はいろんなホールを借りて営業中で、4.5軒と言った感じです。では、いつ頃できたと思いますか? ―江戸時代?元禄辺り? 1800年代? ―ああ、いい線いってますね。江戸時代の記録がありまして、下谷神社に1798年、寄席発祥の地の碑があります。

◇クイズを出しながら、今の落語界
師匠:落語家、何人くらいいると思います?当たっても何も上げられない(笑)。―1000人? ―では、発表します。東西合わせて落語家、約1000人です! 木曜会凄い!ただ木曜に集まるだけの会じゃないね!―笑―1000人、演芸としては多くない。漫才なんか何千といますから。でも、古典芸能としては多いんです。能、狂言少ない。歌舞伎が意外と成手がない。国立劇場に養成所あるんですけど、今、1人しか生徒いないんです。落語家も入門者減ってます。でも噺家自体は減らないんです。…引退がない、それで、長生きなんです、何故か。何も考えてないからでしょうか。―笑―

皆さん傾聴中

皆さん傾聴中

やまと師匠のチラシとミニ色紙

やまと師匠のチラシとミニ色紙

◇クイズを出しながら、修行時代
師匠:落語家、師匠に入門して修行しないとなれません。階級もありまして、見習い、前座、二つ目、真打と。見習いは寄席の楽屋に入れない。で、ムキュウ×2。無休で無給。ひたすら師匠に付いて鞄持ちして、師匠のする事見て、無駄口なんか叩いたら破門です。喋りたくて入ったのに喋っちゃダメって!―笑―これが前座になるとムキュウ×1になるんです。お給金が貰える。1日のお給金いくらだと思います?―3万円?―夢のような金額!―500円? 2000円? 1000円? ―正解は1000円。2日に1回茶封筒に2000円、落語協会から貰える。たった1000円でも嬉しくて! 下っ端の前座は楽屋番。各師匠の着替えを手伝ったり、高座で座布団やめくりをひっくり返す。裏でお茶ひっくり返したりなんかして。―笑―前座2年め、お給金、いくらになると思います? ―2000円? 5000円 ?上がらない? ―1500円です。たった500円だけど嬉しい。1日分で渡される時に500円玉で茶封筒が重くなるんです(笑)! 先輩前座は出囃子の太鼓係。前座で1番偉いのが立て前座。立て前座は高座を仕切る。10日間同じ段取りでやるんですけど、遅れる人がいたり、持ち時間より早く終わったり伸びちゃったりを調整する。立て前座の早めにとかゆっくりとかの指示に、どんな大師匠でも従わなくちゃなんないんですよ。楽屋帳に、ネタ帳ともいうんですが、演者と演目を書くのも立て前座の仕事です。立て前座、プロデュースもするんですが、お給金いくらでしょう? ―2000円? 3000円? ―1日1700円です。―笑―私の時から変わってません(笑)。2日払いの封筒が100円玉4つで重くなる、その程度でも嬉しいんです! 365日休みなしで4~5年、そして二つ目に。師匠の家に行かなくてよくなる、寄席にも通わない。その代わりに、仕事は自分で取ってこいになる。これがキツい!中大落研にはプロの落語家になっちゃいけないって掟があったんです。その禁を、私、破っちゃった! 大反対されたけど。噺家はいなかったけど、芸能界に進んだ先輩はイッパイいた。初めは反対してた、その先輩達が、今度は助けてくれました。落研に限らず、中大の先輩方1番のサポーターです。喰えるようになれたの、先輩達のお陰です。この場を借りて厚く御礼申し上げます。―笑―

やまと師匠のエアー焼き芋

やまと師匠のエアー焼き芋

◇クイズを出しながら、落語の色々
師匠:落語というものは、お客様に想像して頂く芸能。道具も手拭いと扇子だけ。ちょっとやってみますよ。
 師匠、手拭いを畳んで。
師匠:手拭いが何かに見えませんか? ―本! ―そうです、本です。畳んだ手拭いを開いて、目で文章を辿るような仕草をしたから本に見えた。じゃあ扇子をこうすると? ―筆! ―はい、筆です。持ち方で筆記具だとは分かりますよね。それで墨を含ませる仕草で筆だって。ほら、皆さんのお陰で成り立ってるでしょ。
師匠:今度は手拭いを丸めて、皮を剝く手付き、ハフハフしながら口元へ。「焼芋!」「正解、焼芋。」次に扇子をお箸持ち。「扇子、箸にもなります。あっお蕎麦来てました。失礼して暖かいお蕎麦食べちゃいます。」フーフーズルズルッと音立てて、エアー蕎麦手繰り。口の力を抜いて舌を歯の裏に当ててぇと、麺をすする音の出し方も教えて頂きました。落語の登場人物についても、ご隠居さんは商家の元主で長屋住まいでもお金持ち、浪人は主家を失った武士で脇差を持たず長刀を落とし差しにする等々、解説してくださいました。

魚本さんとやまと師匠

魚本さんとやまと師匠

◇落語への思い
師匠:落語、八つぁん、クマさん、与太郎、色んな人が出てきます。与太郎というのは今で言う知的障碍者でしょうか。八つぁん、クマさんも、今なら社会不適合者になるんでしょうね。でも、落語の世界では誰も彼らを除け者にしません。しょうがねえ奴だとか言いながらもちゃんと付き合って、翻弄されてそれが笑いになる。女性も出てきます。大体が嚊天下。女性が虐げられたり、辱めを受けたりって噺はありません。周りの男が笑い者って。江戸の昔、庶民が住めた所は神田、浅草、上野、他は武家地。狭い所にキュッと縮こまって生きてた。落語の世界では庶民が伸び伸び。落語って“世の中こうだったらいいのに”とか“こうだったら皆仲良くできるのに”という世界を描いてると、私、そう思って演じています。近頃、落語が言葉遊びに走っている傾向があるようにも感じますが、私が話したような世界を想像してみてください。暖かい笑いが生まれるんではないでしょうか。お時間となりましたので、今日のところはこれまで。お付合いありがとうございました。

 深々とお辞儀をされ、流石に噺家さん、時間ピッタリに盛り沢山のお話しを終えられました。皆さん、大拍手! 名刺代わりにと“一歩ずつで十分しあわせ”と書かれた、自筆のミニ色紙も頂きました。全員、名前入りで!

◇◇◇◇乾杯の挨拶◇◇◇◇

松田さん乾杯の挨拶

松田さん乾杯の挨拶

松田さん:桂師匠、楽しいお話をありがとうございました。暑さの続く中、公園で蝉が鳴いてるかと思えば、日が暮れると秋の虫の声がしたり、季節の変わりめで体調も不安定になりがちですが、皆様のご健康をお祈りして、乾杯!

 カチンカチンとグラスの音がして「ビール、冷たくて美味しい~!」と皆さん。

◇◇◇◇暫し歓談◇◇◇◇

◇末廣亭「寄席、行ったことあります? 行ってみたいと思うんだけど、敷居が高くて。」「末廣亭なら何回か。」「ああ、新宿の三光町の。」「三光町って言ったんですか、あそこ。」
◇招集令状?「僕、この例会の召集令状、開けてない気がする。」「招集令状って!案内状でしょ(笑)。」「見てる筈なんだけど。」「見てなかったら来られないじゃないですか!」笑笑。
◇関口さん「陶芸、やってて。お茶漬け椀とか魚用の皿とか焼いて。鹿児島に有名な陶芸家いるじゃない。」「沈さん?」「その人の作品欲しくて。一つ二つくれないかなあ。イッパイ有って大変そうだし(笑)。」笑笑。

関口さん 嘉本さん 長井さん

関口さん 嘉本さん 長井さん

◇◇◇◇新入会員さん◇◇◇◇

福田さん:皆さん、酔っぱらって訳が分からなくなる前に、新入会員さんにご挨拶を。境さん。

新入会の境修さん

新入会の境修さん

境さん:85年経済卒です。卒業して日産自動車に就職、61になって役職定年になりましたが今でも日産トレーディングにいます。親父も中大で最低でも中大と言われ続けて、早慶落ちましたが、中大には受かりました。―笑―箱根駅伝、昔は大学から伴走車出して良くて、親父は自動車部だったから排気管を高くして選手に排気が掛らないように工夫したんだって。正月、並んで箱根駅伝見ながら何度も聞かされました。今日は名刺を忘れて、やまと師匠が名刺代わりになんて言うもんだからドキッとしちゃって(笑)。次回は名刺、必ず持って来ますので宜しくお願いします。

福田さん:予選会応援にもご参加ください。では、今日はゲスト参加、珍しい名字の上笹貫さん。

上笹貫さん

上笹貫さん

上笹貫さん:H5卒の上笹貫です。師匠の話にも刀が出てきましたが、私の名字、うちの先祖は刀鍛冶で、ご先祖の一人が女子供は見ちゃならぬと言いおいて仕事場に籠ったんですが、帰って来ないので心配した妻が仕事場を覗くと夫が真っ赤に焼けた刀を素手で持っている、それを見て悲鳴をあげて夫が振り向いた。で、その時打っていた刀は気が散って魂が入ってないと言って竹藪に打捨てた。その後、竹藪に人魂がでるって噂が立って調べると刀が月光を反射してた。見てると切先を上にして地面に刺さった刀に、落ちてきた笹の葉が自身の重さで刺さっていく、魂が入ってないとして捨てられた刀ですらこの出来栄え、この刀工は名工に違いないと城主が、上からの笹の葉を貫く“上笹貫(カミササヌキ)”と名乗るがよいと名付けられたって謂われがあるんです。―ほっほ~―上笹貫銘の刀、重文になってます。―また、ほっほ~―商学部卒なんですが、紆余曲折あって今は新宿で弁護士してます。木曜会は卒業時Aが20以上ないと入れないんだって言われたんで、入会はキビシイ?…宜しくお願いします。
福田さん:上笹貫さんを入れてもいいという方拍手を―大拍手―では、入会決定です!―また、拍手―

吉尾さん 川野さん 後藤さん

吉尾さん 川野さん 後藤さん

活動報告中の小柳さん

相馬さん 田口さん 勝田さん

◇◇◇◇歓談◇◇◇◇

◇名字の話「検索したら上笹貫さん、全国で220人でした。」「読めないよね。」境さんがご挨拶に回られてビールを注ぎながら「次回は、名刺忘れないようにしますので。」と。「境の字のさかいさん、少ないけど木曜会にいますよ。」「多分、お目にかかったことあります。」
◇浪人の話「浪人が刀2本差してないって知らなかった。」「僕も。」「二本差しが恐くて田楽が食えるかって啖呵ありますよね。」「確か、桃太郎侍、2本差してましたよ。」「桃太郎侍、懐かしい!」笑。
◇嘉本さん「嘉本先輩、島根ですよね。僕、島根に20回くらい行きました。」上笹貫さんがご挨拶に。「何で?」「裁判で。交通事故の。」「交通事故の裁判で東京から!大変だったね。」「何度も行きましたけど、松江城のお堀周り美しかった!」ここでやまと師匠もご挨拶に来られ、嘉本さんに。「宜しくお願いします。」「こちらこそ宜しく。僕、53年か4年の卒業で。」「53年か4年かって、覚えてないんですか⁉」笑笑。

竹村さんと相馬さん

竹村さんと相馬さん

谷口さん 河野さん

谷口さん 河野さん

◇◇◇◇村山さん◇◇◇◇

福田さん:村山先輩から一言あるそうです。

村山さん

村山さん

村山さん:今月末で80歳。―えっ若い!―年寄りが出しゃばっちゃいけないと思いまして、今日払った年会費が最後の年会費と…一応言っときまして。―笑―80歳ですが、私自身は35歳だと思っているんで―笑いと拍手―お呼び頂けば何処でも行きます。今日は髭の松沼先輩に頼まれまして、松沼さんが作ってるカレンダーの宣伝です。花暦って言うんですけど。月毎に季節の花が描いてあって下の所に会社名が入れられる可愛い暦です。鳩居堂で800円。中大OBは半値!宜しくお願いします。

◇◇◇◇締め◇◇◇◇

福田さん:宴もたけなわですが、お時間が来てしまいました。会計テーブルにやまと師匠の独演会のチラシを置いておきますので、名札を返す時にお持ちください。11月29日は竹村先輩お手配の志満金忘年会です。ご参加ください。では、締めの挨拶を新増強委員長の後藤先輩に。

締めの挨拶後藤さん

締めの挨拶後藤さん

後藤さん:バスケ部の後輩の下山君が体調を崩した時に替わりにと頼まれて、入会しました。この会は力が抜けた会…かなり力が入らない会―大笑い―え~と、肩の張らない良い会です(笑)。小平先輩が引退ということで私が会員増強委員長を拝命することになりました。私の眼鏡にかなった人を勧誘します(笑)ので、皆さん、宜しく。

◇◇◇◇記念写真◇◇◇◇

やまと師匠を囲んで記念写真を撮ることになり、演台を片付けて福田さんお手製の200回記念横断幕の前に“師匠は真ん中ですよ”とか“会長も前ですよ”とか“女性が前の方が”とか“いやいや体形が隠れるから後ろの方が”とかとかワイワイ言いながら並んで。東天紅の方にカメラマンをお願いし、カシャカシャカシャ。勝田さんの「こりゃぁ長~い記念写真だぁ。」の言葉に一笑いして、散会となりました。

やまと師匠を囲んで

やまと師匠を囲んで

 お手配頂いた幹事の皆様、200回記念横断幕を作ってくれた福田さん、ありがとうございました。

◇下山さんの事 先日、後藤さんのお話にも出た下山保さんの訃報を聞きました。数年前の忘年会でご挨拶して、お酒を注いで頂いて私が“ご返杯”と盃を返すと“その言葉、久し振りに聞いたよ”と言って笑っておいでだったのを思い出しました。合掌。

(木曜会・柳)