日時:2024年5月16日(木)18:30~
場所:東京国際フォーラム東天紅
いつもの東天紅会場に入ると正面に自衛官の制服姿の男性!いつもと違う雰囲気!が、福田幹事長の「では、時間となりましたので第198回東京木曜会例会を始めます。」に続く河野会長の挨拶でいつものように木曜会例会が始まりました。

井出さん(お母様)と会長・幹事長
◇◇井出さんの講話◇◇
◇制服姿の井出さん立ち上がられて。
井出さん「防衛省陸上自衛隊二等陸佐、井出匡則(マサノリ)です。宜しくお願いします。ザックバランに今の安全保障について私の私見も交えてお話します。公開していい情報と漏らしてはいけない情報とがありますのでご承知おきを(笑)。」と始められました。
■ウクライナ侵攻
2022.2.24のロシアのウクライナ侵攻を受けてハワイで日米韓の軍のトップ会談、続く首脳会談にも通訳として同行、補佐役を務めた。各会談では中国の台湾及び南西諸島に対する思惑についても今後の対応が話し合われた。

井出さん講義中1
・露政府は米のアフガニスタンからの完全撤退を見て、露のウクライナ侵攻に米は軍を投入することはないと分析。2021.7米はウクライナ侵攻を予想してゼレンスキー大統領に警告したが“動いて却って露を刺激しない方が良い”との対応だった。
・NATO→ウクライナへの侵攻が始まっても加盟国の土地には入っていない為、直接武力で露を攻撃することはなかった。米も他のNATO各国も物資や資金の援助に止まる。
■イスラエルとパレスチナ
発端はハマスのイスラエル人人質事件。元々はイスラエルに投獄されているパレスチナ人政治犯の解放を求めての行動。
・建国までの長い苦難の歴史と、1948.5.14建国時から続くパレスチナ諸国に囲まれているという危うい状況から、イスラエルは“叩かれたら徹底的に叩き返す”という過激とも言える手段をとる。
・ガザを徹底的に叩くイスラエルに国際的な非難が集まっているが、戦闘をやめさせる決定的な手立てがない状態。

井出さん講義中2
・太平洋進出を進める上で、今、第一列島線までを支配下に収めたい。フィリピン近海の南シナ海から尖閣諸島、沖縄を含んで日本に至る海域を支配下に。当然、台湾は自国の領土として含まれるという考え方。
・ゆくゆくは第二列島線、フィリピン、パラオ、グアムそして日本までの海域を支配下に置きたいのでは?
・中国政府は経済発展に合わせて軍備増強に努め、現在は世界最大の軍事大国となっている。戦艦、上陸用舟艇、水陸両用戦車、戦闘機、ミサイルそして軍人と大増強していて、米一国では対抗できない。
・米は、英国をヨーロッパでの、日本をアジアでの大事な同盟国と考えている。
※ここまで具体的な数値を挙げ、パワーポイントの画面を示しながら、分かり易く解説をして頂きましたが「ここからは外に出してもらっては困ります。」と。☻????
◇この後も、井出さんの“私見・推論”も交えながら色々とお話頂きました。プーチンも習近平も、戦争に備えて武力を蓄えていた事。露は量産態勢に入れるよう軍需産業を継続、中国は軍備の増強と共に他国に資本投下する事でその国を影響下に置く等の政策を用いていた事、兵器や兵士の膨大な数も聞かせて頂きました。プーチンは70歳でウクライナ侵攻に出た、習近平も今年70歳そして中国の経済はピークアウト気味、ここからの10年が危険ではないかとのお話も…。日本を取巻く状況は中々厳しい事を再確認しました。
◇質問コーナー

斎藤さんと川野さん
井出さん:頼清徳さん、台湾独立って言わなくなりました。副総統に選んだのも米と良好な関係にありながらも穏健派の蕭美琴氏です。多分、中国とも西側諸国とも上手くバランスを取ろうとしていると、思います。
柳(私):中国は…習近平はどうして外海へ外海へと出たがるんですか?
井出さん:“100年の屈辱を晴らしたい”ですね。嘗ての偉大だった中国の復権が目標で、それを習近平自身が成し遂げる。“毛沢東の夢”を実現するのは自分だと、毛沢東に比肩する存在になると考えていると思います。
私の素朴な疑問にも答えて頂きました。
◇◇懇親会へ◇◇
河野さん:井出さんに制服と私服、どっちが宜しいでしょうかって聞かれたんですけど、やっぱり制服は説得力ありますね。折角だから集合写真撮りましょう。
で、井出さんとお母様を囲み、東天紅の方にシャッターを押して頂いてカシャリ!

皆でカシャッ!

松田さん乾杯の挨拶
松田さん:背筋が寒くなるような話を聞かせて頂きましたが、我々はどうしたらいいのかと…日本はどう進んでいくのか、ここで話し合っても仕方ないんですが…。ともあれ、皆さんのご健康を祈って乾杯!
カンパ~イの後、皆さん、ビールをゴクゴク!
◇◇◇古川さんの話
「今日、学員会事務室で古川さんに会ったんですよ。箱根駅伝を強くする会に来てて、卒業年次の支部がある事初めて聞いたらしくて。事務局教えてくださいって。」「古川さん、知らなかったんですか?」「で、木曜会の人って分かったのに、名前がどうしても出てこなくて声かけられなくて。」「講師もしてくれたのに?」「すみませ~ん。出てこなかった!」「僕もスピーチしてくれた人、度忘れしちゃったりします(笑)。」「支部の連絡先を書いた紙を持った古川さんが出て行った途端、あっ古川さんだって!」「アハハハ、でも有りがち。」「古川さ~んて追いかけるのも変だし、そのままになっちゃいました。ここで会えると思ってたんですけど…。」

歓談中1
「柳さんは何年卒?」「58年です。」「58年、つい最近じゃない。」「え~っ40年、いや、40年以上前ですけど!」
◇◇会員さん挨拶◇◇
福田さん「皆さんが酔っぱらう前に、ゲストの方自己紹介を。富岡先輩から。」いつものフレーズに、皆さんクスクス。
富岡さん:43年法政卒、80歳になります。ゴルフの方は木曜会で出てるんですけど。勤めてた関電工を退職して南甲倶楽部も卒業してブラブラしてたら河野会長に、貴方みたいな人がブラブラしてちゃダメって誘われて…。ゴルフでは木曜会だけど、1年間厳しい審査がありまして、やっと晴れて入会を許されました!―大笑い―後は会で挨拶すればOKと。そんなことで、これからも宜しく!
福田さん:もうお一人、斎藤さん。斎藤さんは2年ぶりです。
斎藤さん:斎藤です。石村さんが亡くなった事、今日初めて聞いて、小峰さん、納富さんも亡くなって…寂しいです。え~、井出二等陸佐、私は防災の仕事をしてますが、防災、防疫、防衛、我々にとって大事な3防。ボウボウボウです!お互い頑張りましょう!皆さんも宜しく。
お二人に拍手。

歓談中2
◇◇◇多摩校舎の話
「地方から東京の大学に進学するって、都心の学校に通う事だよね。」「まあ、はい。」「八王子は東京じゃないよね。」「一応、東京ですけど。」「いやいや、八王子に通う為に東京の大学選んだんじゃないでしょ。」「はあ、まあ。」「あれから中大落ちてきたよね。法学部、都心回帰したけど、どうなるかねえ。」心配そうに斎藤さん。

歓談中3
◇◇福田さん歩み出て◇◇
福田さん:村山先輩に頼まれたチラシ2枚配ります。去年もやられてたすずらん祭りの指笛演奏です。今日、来てくれないからやめちゃおうかなぁ(笑)なんて、ちゃんと配ります。これで務めは果たしました(笑)。では締めの挨拶を嘉本前会長に。
“挨拶要員の嘉本”と仰っていたのを思い出した数人が、クスクス。

締めの挨拶 嘉本さん
嘉本さんの挨拶に答えて。
井出さん:戦争は国全体がやる事です。一旦始まったら否応なく全国民が巻き込まれていきます。私は日本が戦うとなったら迷わず戦います。そういう誓いを立てて自衛官になりましたから。でも犠牲者のない戦争はありません。やらないに越したことはない。しっかり準備して仕掛けようとしている国に“今じゃない。今始めたら負ける。”と日々思わせ続けることが大事です。その為の5年間で43兆円の国防予算、高いと思うか妥当と思うか、其々ですが。私は第二次大戦後の世界秩序、このシステムは守るべきだと思います。できれば皆さんに応援して頂きたいです。宜しくお願いします。
井出さん、このように話されて一礼。自衛官としての矜持を感じました。
最後に全員で井出さんに拍手を送り、散会となりました。
普通は聞くことのできない情報を聞く機会を作ってくださった幹事の皆さん、ありがとうございました。厳しい情勢にある日本、どうする事が正しいのか結論は出せませんが、知らないでいるより知った方が良いと思いました。
(木曜会・柳)