日 時 2017316日(木) 18302100

場 所 東天紅 東京フォーラム店

講 師 常磐興産株式会社 相談役 斎藤一彦様 

演 題 炭鉱から観光へそして復興へ

参加者 17

講話内容

 河野副会長から斎藤様についての経歴紹介後、「炭鉱から観光へ そして復興へ」という演題で講話がありました

 炭鉱の閉山、バブル崩壊、東日本大震災等、笑いと涙の連続だったという人生のお話を、本来であれば2時間くらいの講演内容ということでしたが、木曜会特別バージョン()で、40分くらいのお話にしていただきました。

よってショートバージョンなので、メインのお話は東日本大震災に関連したものになりました。

  1. 福島から東京へのお客様移動

2011311日の震災当日は、東京本社での役員会議に参加されており、福島の会社からは617名のお客様が東京に帰れないという報告があった。その時の斎藤様のご指示は、すべて「現場判断で良い、私の判断を仰がなくていいということでした。これを「任せる勇気」と言われ、それだけ社員のことを信じ、お客様対応をやり遂げてくれるという自信があったとのこと。また、社風・企業風土として「一山一家」という運命共同体の精神、仲間意識があったとのことからやり遂げられたのではないか。社員の中には自分の家が流されていたにもかかわらず、12日に海側・山側のルートを確認、13日に可能である山側ルートでバス20台(用意するだけでも大変だったという事ですが)で13時間かけて東京に着いたとのこと。これには、直接215名のお客様から感謝の手紙を頂いたとのこと。

  1. フラガールの全国キャラバン

3/25の臨時役員会にて「フラガールの全国キャラバン」を提案、すべて手弁当で実施ということに、役員は反応なし(出来るわけない?無理?という雰囲気だったとも)だったので、退路を断つ思いで、朝日新聞に記事にしてもらった。相当な反響があり、応援するからぜひ来てほしいとのオファーが全国からあったが、とにかく福島の復興を目指しているからお金をもらうのは趣旨が違うといって、ボランティアで実施。結果的に27都道府県125地域250回の公演回数となった。内輪話として、フラガールはテレビ・取材などでは笑っていたけど、本当は泣きながら移動していたのが実情で、福島・いわきナンバーの車は止めさせてくれなかったところもあった(風評被害で仕方ない、情報もはっきりしていなかったことあって)。

4/22にこのキャラバンを実施するから全員集合(福島県以外に東京や神奈川など自宅待機中だったので)の指示を出すと、半分くらい来てくれるかと思っていたら、なんと全員集まってくれた。親は反対していたかもしれないが・・・これは「奇跡」だと思った。これには、社員の為に死ぬ気で取り組むぞ!と思った一つのエピソードだったとのこと。

  1. 再開に向けて

再開までに100億くらいかかるとの試算がでる。本当に福島が復興出来るか?レジャー施設に人が来るはずもない!など、不安要素しかなかったが、4/25銀行に相談しに行くと、当時の銀行担当常務が、「お金は心配するな、安全帯一でやってくれ、地域の復興のリーダーとして頑張ってくれ」と言われた。逆の

立場だったらその言葉を言えるかと思い、非常に意気に感じたとのこと。

  1. 最後に

「人真似するな」「地域との共存共栄を忘れるな」「話題作りが大切、風がない時は自ら風を起こすしかない」「炭鉱閉山の時も残員一人残らず再就職させた、震災の時も誰ひとり首を切らなかった⇒平時は仲良しクラブになる危険もあるが、危機にあった時にはすごい力を発揮する、強い絆が生まれる

「ぜひハワイアンズに来てほしい、ぜひ福島・東北に来てほしい

というのが一番の思いです、という言葉でまとめていただきました。

体験談からくる復興への熱い思いが強く感じられるお話でした。

震災の記憶を風化させることなく、何か出来ることはないか改めて考えてみる良い機会となりました。本当に貴重なお話ありがとうございました。

PS

早速、木曜会の旅行(6月)に関しては、スパリゾートハワイアンズを含めて福島方面への企画を考えております。